ねこ先輩に「好き」を伝える方法。

伝えたい想い。

「芽衣」


私が持っているマイクが、奏多先輩の声を拾う。

半泣き状態の私は隣にいる奏多先輩を見上げる。

奏多先輩は柔らかく微笑んでいて。

そっと私の手を握ってくれた。



「マイク貸して?」



奏多先輩は私の手からマイクを抜き取る。

それから奏多先輩の温かい言葉が、体育館に響き渡った。

みんなが奏多先輩の言葉に集中する。

……もちろん、私も。



「芽衣の好きなところは、一言では表せないから長くなるよ?」



奏多先輩から聞く、私の好きなところ。

先ほどとは、また違う緊張感。

ドキドキしながら奏多先輩の言葉を聞く。



「芽衣」



奏多先輩が私を見る。

私も奏多先輩を見つめる。



「上手く言葉に出来ないかもしれないけど、俺の気持ち、聞いてくれる?」



何度も頷く私。

聞きたいです。

奏多先輩の言葉で聞きたいです。
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