ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
私を抱きしめる奏多先輩。

涙が衣装についても関係ないよ、ってくらい強く優しく抱きしめてくれる。

私もそっと、奏多先輩の背中に手をまわす。



「奏多先輩といると、こんなに幸せでいいのかな、って思います」

「いいんだよ。……俺が芽衣を幸せにしたいから」



その言葉に、我慢していた泣き声があふれる。


もう、周りを考えることなんてできない。

幸せの感情があふれて止まらないんだ。

奏多先輩の腕の中で、わんわんと泣く私。

そんな私に、奏多先輩は。



「芽衣の泣き虫」



そう言って笑うから。

私も思わず笑顔になる。

泣き笑い。

泣いているのか笑っているのか分からないけれど。

とにかく幸せだ。



「いつだって、奏多先輩の隣にいたいです」



私の声をマイクが拾う。

会場に響き渡っているけれど、そんなことはもう関係なくて。

奏多先輩への気持ちを、奏多先輩に伝えたいんだ。
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