ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
私は顔を赤くしながら、そっと奏多先輩から離れる。

体には奏多先輩の温もりが残っている。

消えて欲しくない温もり。



「では、ベストカップルコンテストの投票を行います!」



投票……。

そっか。

コンテストだから、順位を付けるのか。

それもそれで、少し切ない気もするけど……。


……ん?

ちょっと待って?

これは……。



「待ってください!」



私は手に持っていたマイクに向かって声を上げる。

ざわめく会場。

そりゃそうだよね。

投票直前にストップをかけるなんて。

だけど、これだけはやりたい。
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