ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
「里紗先輩」

「どうしたの、芽衣」



里紗先輩の声が予備のマイク越しに響く。

怪訝そうな里紗先輩の表情だけど、今の私には関係ない。


だって。

このコンテストには続きがあるから……。



「里紗先輩はいいんですか?」

「……なにが?」

「このステージに立っているのに、相手への想いは伝えないんですか?」



私の言葉に里紗先輩が顔を赤らめたのが分かった。

顔赤くしながら、私を鋭い目で見ている里紗先輩。

里紗先輩はきっと『タイミングってものがあるでしょ』って、言うだろうけど。

私は、今がタイミングだと思うんだ。


だって、ステージの下。

最前列でステージを見上げていた颯汰先輩。

颯汰先輩は、ずっと里紗先輩を見つめていたよ?



「最後の出場者は里紗先輩じゃないんですか?」

「ストップ! ストップ! ストップ!」



体育館に大きく響いた声。

マイク越しじゃない、その声は。
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