ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
「新井くん……」



颯汰先輩だった。

颯汰先輩はステージに手をかけたかと思うと、思いきりジャンプして飛び乗った。



「芽衣ちゃんっ。マイク借りるよ!」



そう言って、私の手からマイクを取っていった颯汰先輩。

颯汰先輩はそのまま里紗先輩の近くまで走って行った。

里紗先輩の目の前に立つ颯汰先輩。



「天海ちゃん! 好きな人がいるのは分かったけど! 振られるの覚悟で伝えさせて!」



颯汰先輩の声がキーンと響く。


マイク持っているのに大声で叫ばなくても……。

と、内心呟く私。

だけど、里紗先輩と颯汰先輩を見ていたい。



「俺、天海ちゃんのことが好きなんだ! 付き合ってとは言わないけど、その。気持ちだけは!」

「……」

「他の男に取られる前に、気持ちだけは伝えたかった!」



颯汰先輩の告白に驚いている様子の里紗先輩。

黙ってなにも言わない里紗先輩。

目をぎゅっとつむって、振られると覚悟している様子の颯汰先輩。

体育館にいる全員が2人を見守っている。
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