ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
「……バカじゃないの」



里紗先輩が口を開く。

目にはうっすらと、涙が浮かんでいて。

その言葉も、少し弱々しく感じた。



「他の男って……。私が男に興味がないのは知っているでしょ」

「……」



里紗先輩の言葉に颯汰先輩が黙る。

ハラハラする。

だけど、里紗先輩と颯汰先輩なら大丈夫。


だって。

里紗先輩、柔らかな笑みを浮かべているから。



「男には興味ないけど……。新井くんは別よ」

「えっ……」

「私は新井くんのこと好きよ。……その、私は、付き合えるなら付き合いたいと思っているわよ」



語尾がだんだん小さくなる里紗先輩。

だけど、その声はしっかり、マイクが拾っている。

颯汰先輩を見れば、目をパチパチさせている。



「ほんと? 天海ちゃん、嘘ついていない?」

「本当よ。嘘つく必要がないわ」

「ええーっ⁉」



颯汰先輩の驚きの声が、キーンと響く。


……マイク越しに叫ぶのはやめてください。

それは、会場にいる全員が思っていることだろう。
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