ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
……なんで、今、里紗先輩の話をするんだろう。

奏多先輩とせっかく出会えたのに。

確かに、奏多先輩に直接『好き』と言ったことはないし、付き合ってもいない。

だけど、もやもやと、心に雲がかっていくような、そんな感覚。

そんな私とは反対に、明るい笑顔を見せてくれる奏多先輩。



「天海さんって人を寄せ付けない雰囲気とか、周りに興味ない人だと思っていたけど」

「……」

「芽衣には興味があるみたいだね」



……そうなのかな。

里紗先輩が私に少しでも興味を持ってくれたのなら嬉しい。

だけど、里紗先輩のことを話す奏多先輩に、もやっとする。

これが、独占欲っていう欲求なのかな?

複雑な感情をどう処理していいのか分からなくなる。



「奏多先輩」



気がついたら、私は、奏多先輩のブレザーの袖をぎゅっと握っていた。

立ち止まる私と奏多先輩。

奏多先輩は少し驚いたように私を見る。
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