ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
教室に1人きりの放課後。

窓から入る夕日を、3階にある教室から眺める。

掃除が終わるころの、この景色は好き。

『今日も1日頑張った!』って、思える。


しばらく夕日を眺めていると、ポケットの中で携帯が振動した。

ポケットから携帯を取り出す私。

メッセージが1件。

画面を開いてメッセージを見る。


『学校は慣れた?』


たった1文のメッセージに胸がきゅぅっ、となる。

嫌なことも悩んでいることも、たった1つのメッセージですべて吹き飛んでしまう。

だって、気になる人からのメッセージは嬉しいから。


『少しずつ慣れてきました! ユウさんは勉強とか忙しいですか?』


メッセージ送信完了。

ユウさんからメッセージをもらえたことが嬉しくて、携帯をぎゅっと握りしめる。


私が“ユウさん”と呼んでいる彼。

彼と知り合ったのは、オンラインゲームの世界。

自分のアバターを作って、他のアバターと会話をするだけのゲーム。
< 4 / 253 >

この作品をシェア

pagetop