ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
「それなら、自分を見失っちゃダメ。自分を見失ったら、大切な人まで見失っちゃうよ」



言葉が胸に刺さる。

胸に刺さった言葉は、大粒の涙に変わる。

涙はとどまることを知らず、流れていく。


なんで、泣いているのか。

私にもよくわからないけれど。

きっと、里紗先輩がまっすぐに私を見てくれているから。

私に言葉や想いを届けようとしてくれているから。

ぽたぽたと、温かい涙が頬を伝い、コンクリートの床に涙の染みを作っていく。



「芽衣は弱くない」



流れ落ちる涙をすくってくれる、里紗先輩。



「だけど、弱くてもいいんだよ」



涙でぼやける視界の真ん中で、里紗先輩が微笑む。



「芽衣はひとりじゃないんだから」



……私は弱くない。

だけど、弱くてもいい。

……私はひとりじゃない。


私には充分すぎる言葉だった。

涙は止まることを知らない。

だけど、ネガティブな感情や思考は止まった。

ネガティブな感情や思考の代わりに温かいものがあふれる。
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