ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
「ありがと、うござ、います」



泣きすぎて呼吸が乱れる。

途切れ途切れの言葉だけど、里紗先輩には伝わったみたいで。



「どういたしまして」



泣き止まない私の頭を、苦笑しつつも撫でてくれる。

それがどれだけ、私の強さに変わるのか。

ひとりじゃないんだ。

そう思った瞬間。


バンッ!


屋上の扉が勢いよく開かれる。

里紗先輩と2人して、肩を跳ね上がらせる。


びっくりした……。

音がしたほうを見れば、息を切らした奏多先輩が立っていた。



「芽衣っ」

「奏多先輩……?」

「大丈夫、じゃない、か」



奏多先輩が駆け寄ってくれる。

私の濡れた頬を見たからなのか、表情が曇っている。



「噂のこと……。軽率な行動だった」



ごめん。

そう言って、奏多先輩が頭を下げる。

奏多先輩はなにも悪くないのに!
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