ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
「あれじゃない? 地味子を引き立て役にしたいんじゃない?」



引き立て役……。

この際、“地味子”と呼ばれてもいい。


だけど。

2人を悪く言うのだけは許せなかった。


ドクドク脈打つ心臓。

こぶしが震える。

噂を否定したい。

否定しなきゃ、と思う自分と、怖くて動けない自分。

私が動かなきゃ、里紗先輩と奏多先輩は意味もなく傷つくことになる。

それだけは避けたい。


そう思うのに。

自分の意見を言うことが。

クラスメイトとぶつかることが怖かった。

自分の居場所を自分で消すことになるかもしれない。

そんなこと、考えなくても分かる。


ねぇ……。

奏多先輩だったら、どうしますか……?

自分の大切な人が、悪く言われていたら、奏多先輩だったらどうしますか?


そう心の中で問いかけた瞬間。

私の覚悟は決まった。
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