ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
「そういう話が広がっているってことは、事実でしょ? うちらはそれを話していただけなんだけど」

「……じゃあ、言わせてもらいますけど、」



私は目の前に立つ彼女から、目をそらさない。



「ただの噂を“事実”と言っているけど、本当に事実なのか、里紗先輩本人に確認したんですか?」

「確認する必要もないでしょ」

「それなら、勝手な噂や想像で、人を悪く言うのをやめてください」



決して大きくはない声。

冷静に話したい。

真実なんて存在しない”噂”というものを、終わらせたい。

その一心だった。


だけど。

彼女たちは、それが面白くないようで。

顔を真っ赤にさせて、肩を震わせていた。



「誰のせいで噂が流れていると思っているの⁉ あんたが原因なのに、偉そうに言える立ち場か考えたらどう⁉」

「私が原因ってことは分かっています。だからこそ、ありもしない噂を止めたいんです!」



冷静に話したい。

その気持ちはあるのに、ヒートアップしてしまう会話。

冷静に考えたい自分と、感情的になってしまう自分が現れる。
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