ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
「でも!」

「……でも、なに?」



ひんやりとした空気。

それでも、リーダー格の女子は『自分はなにも悪くない』と、言うように言葉を続ける。



「コイツのせいで、結城先輩の悪い噂が流れているんですよ⁉」



なにも言えない私。

言葉を発したくても、彼女の目つきの鋭さにひるんでしまう。

だけど、奏多先輩はそんなことなくて。



「噂が学校中に広まる理由ってなんだと思う?」

「それはコイツが原因を作ったから……っ!」

「確かに原因がないと、噂は出来上がらないかもね」



私が原因。

分かっていたけれど、奏多先輩にも“私が原因”って思われているのかな、と思ったら、シャツを掴んでいた手が緩んだ。

私のネガティブ思考に気が付いたのか、奏多先輩は強く抱きしめ返してくれた。
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