ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
「芽衣。保健室に行こう」



そう言われて、奏多先輩と保健室へ向かう私。

私は頷くことしかできなかった。


奏多先輩のことが好き。

会いたいと、ずっと願っていて。

夢みたいなことが起こって。

こうして出会えて。

触れることができたのに。


私の心は、満足していない。


次から次へと欲が溢れ出て、『奏多先輩とずっと一緒にいたい』と思ってしまう。

“彼女”という存在になれたら……、と願ってしまう。


だけど、現実を見れば。

奏多先輩は誰もが認めるイケメンで、みんなに好かれるような人。

一方、私は……。

特別はおろか、平凡どころか“地味子”と言われてしまった。

そんな私は、奏多先輩とは釣り合わないと思う。

実際、こうやって隣を歩いていると、冷たい目で周囲から見られている。

奏多先輩の隣にいたいと思う反面、離れたいと思ってしまう自分が嫌いだ。

周りの目なんか気にしなくていい。

分かっているけれど、心が分かってくれないんだ。
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