ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
「本当の優しさってさ、とても強いものなんだよ」

「……」

「誰かのことを考えて受け止められることは、強い人の証だよ」



私は奏多先輩の言葉に耳を傾ける。

それと同時に、教室で起こった一件を思い浮かべた。

思い出すと、胸が苦しくなった。

そんな私の心を溶かすかのように、奏多先輩は言葉を続ける。



「今は、自分のことを信じてあげられないかもしれない」



消毒液を救急箱に片づけた奏多先輩が視線を上げる。

再び、目線が交じり合う。



「だけど、芽衣の優しさと強さは、俺が保証する」



ドキッと跳ね上がる心臓。



「だから、芽衣を信じる俺を信じて」

「っ、」



奏多先輩のまっすぐな目が私をとらえて離さない。

言葉が、優しく胸に突き刺さる。

体が火照ったように熱くなる。

私と向き合おうとしてくれる奏多先輩の言葉に、私は頷くことしかできなかった。
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