ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
頷く私の頭を優しく撫でてくれる。

そんな奏多先輩だから。

やっぱり、一緒にいたいと思うんだ。


つのる気持ち。

私の恋心が暴れだす。



「あのっ。奏多先輩!」



私の声が保健室に響く。

急に声を出した私にびっくりしたような奏多先輩。

自分の心臓の音が聞こえる。



「どうしたの?」

「その……。奏多先輩は、好きな人とかいますかっ?」

「え……」



目を見開く奏多先輩。

手が震える。

奏多先輩は、なんて答えるだろうか。


怖い。

怖いけど。

一度暴れだした恋心は止まることを知らない。



「そうだね、」



目をそらす奏多先輩。

困らせちゃったかな。

だけど、知りたいんだ。

奏多先輩の気持ち……。
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