ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
「それでも、立ち向かった芽衣ちゃんは格好良かったよ!」

「格好良かった、じゃないわよ!」



颯汰先輩の言葉を遮る、里紗先輩。

静かになる保健室。

数秒の沈黙の後、里紗先輩が口を開いた。



「私のせいで、芽衣が怪我したのに……」

「そんなこと、」



そんなことないのに。

里紗先輩はなにも悪くないのに。

泣きそうな顔してほしくない。



「噂の内容……。私の母が夜の仕事をしているっていうのは本当のことだから」



里紗先輩がうつむく。

もう、里紗先輩の表情を読み取ることはできなかった。


ただ。

悲しい空気が、里紗先輩をまとっていることは確かで。



「両親は、私が幼い頃に離婚していて。それから、母はずっと夜の仕事をしているの」



ぽつり、ぽつり、と話し始める里紗先輩。

その内容は、噂で聞いた内容と被るところがあった。
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