ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
そんな里紗先輩に微笑む私。



「周りからどんな評価を受けていても、仕事を続けているって凄いことだと思います」



うん。

本当に凄いことだと思う。

人間は少なからず、人の評価を気にして生きる生き物だと思う。

それでも、里紗先輩のお母さんが仕事を続けている理由は。

きっと。



「お母さんは、里紗先輩のことが１番大切だから」



……だから。

里紗先輩のお母さんは、周りの評価に屈せずに、ひとりで里紗先輩を守り続けている。

それって、本当に里紗先輩のことを愛しているからこそできることなんだと思う。



「大切な人を守るために頑張るお母さん……。素敵ですね」



目を見開く里紗先輩。

それからしばらくして、ふっと柔らかい笑みを浮かべた。



「芽衣には敵わないわね」



里紗先輩が、ぎゅっと私を抱きしめる。

私の首筋に、温かいものが触れた。

……里紗先輩の涙だ。
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