ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
先ほどの奏多先輩の言葉を思い出した。


『誰かのことを考えて受け止められることは、強い人の証だよ』


里紗先輩の言葉と奏多先輩の言葉がリンクする。

私も、少しは強くなれたのかな。

そうだったら嬉しい。


自然と笑顔がこぼれる。

里紗先輩の肩越しに見える、奏多先輩も微笑んでくれている。

颯汰先輩は涙でぐしゃぐしゃの顔のまま、笑っていた。


温かい時間が流れる。

教室で転んだときの痛みも忘れてしまいそうなくらい、幸せな時間。

正直、この学校で友達や話せる相手ができるなんて思わなかった。


友達が欲しいと願っていた私。

それは当分出来ないかもしれないけれど。

今は、素敵な先輩たちに囲まれている。

それだけで充分すぎるほど幸せだ。



「芽衣」



里紗先輩が私にだけ聞こえるくらいの声で耳打ちをする。

なんだろう、と思いながら、里紗先輩の言葉を待つ私。
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