ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
夜。

私は勉強机に向かっている。

と、いっても、勉強はしていない。


趣味のひとつである、ハンドメイド雑貨を作っている。

今日は、お弁当袋を作ろうと思って、ミシンを用意した。

布や裁縫セットで机の上がぐちゃぐちゃしている。

ミシンも大きいから、余計、机の上が汚く見える。


……作り終わったら、ちゃんと片付けないと。


そう思っていると。


ピロロン。

ピロロン。

携帯が机の上で震えている。

電話の着信だ。



「待って! 携帯、どこっ⁉」



ユウさんからの電話かもしれないのに!

いつもこの時間に、ユウさんは電話をかけてくれる。

早く電話に出たいのに、机の上がごちゃごちゃしていて、携帯が見つからない。

私は机の上のどこかにある携帯を必死に探す。


ああっ。

電話切れちゃう!


急いで携帯を探す。

携帯は布の下に隠れていた。

画面を確認すると、ユウさんの名前が表示されている。
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