ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
「奏多からの伝言でさ?」

「……?」

「勉強会は中止だってー」



ざわつく教室。

私に話しかけてきた女子2人組も驚いた表情をしている。

でも、それ以上に、驚いているのは私だった。

楽しみにしていたからこそ、ショックだった。

急な“中止”に、気持ちが沈む。



「ごめんね、って。奏多、謝っていたよ」



颯汰先輩が声のトーンを落とす。

落ち込んでいるの、バレちゃったかな。

私は慌てて笑顔を作る。



「大丈夫です! ……って、伝言お願いします」



私の言葉に、颯汰先輩は頷いた。

なんとも言えない空気。

そんな空気を破ったのは彼女たちだった。



「なーんだ。結城先輩と会えないなら、望月さんに用はないわ」



身をひるがえしていく彼女たち。

その姿を呆然と眺める。


……最初から分かっていたけれど。

話しかけられるのは、私が目的じゃなくて、奏多先輩が目的だってことなんて。

分かっていたけれど、少し悲しかった。
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