ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
そんな様子を隣で見ていた颯汰先輩。

……このままじゃ、颯汰先輩にも心配かけちゃう。

私はもう一度笑顔を作って、颯汰先輩にお礼を言う。



「伝言、ありがとうございました」

「あー、うん」



歯切れの悪い颯汰先輩。

辺りをうかがうように、きょろきょろしている。

それから、しばらくして。



「手、出して」



と、小さな声でささやいた。

首を傾げながらも、そっと手を出す私。

その手の上に、颯汰先輩は綺麗にたたまれた、メモ用紙を置いた。


……なんだろう?



「じゃ! 芽衣ちゃん、またねー」



そう言って、颯汰先輩は教室を出て行った。

目をぱちぱちさせる私。

残されたのは、折りたたまれたメモ用紙だけ。

疑問に思いながらも、机の下でメモ用紙を開く。

そこには、綺麗な字で。



『今週の土曜日。10時、駅前待ち合わせ』



と、書かれていた。
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