ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
……今週の土曜日?

10時?


颯汰先輩と会う約束なんかしていない……。


……あれ?

今週の土曜日って、2日後だよね?

連休初日だよね。


じゃあ。

このきれいな字は、颯汰先輩じゃなくて……。


私は慌てて席を立つ。

机の横にかけられた鞄を持って廊下に出る。

昇降口へと向かう廊下を見れば、颯汰先輩の背中が見えた。

慌てて、あとを追う私。



「颯汰先輩!」



私の声が届いたのか、颯汰先輩は立ち止まって振り返る。

長い距離を走っているわけじゃないのに息が切れる私。

心臓がドクドク鳴っているのは、走ったから?

それとも……。



「このメモって、もしかして……!」

「あー」



颯汰先輩が私の頭をわしゃわしゃと撫でる。

それから、楽しそうに一連の出来事を話してくれた。
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