ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
「ありがとうございます」

「俺はなんもしていないよー」



ううん。

そんなことない。

奏多先輩と颯汰先輩の気遣いは嬉しくて。

心強くて。

気持ちを温かくさせてくれる。



「奏多には連絡しておきな? あいつも不安になるだろうから」



奏多先輩が不安になる……?

それって、どういうこと?

考えても分からないけれど、連絡はしよう。

助けてもらったことのお礼も言いたいから。



「はいっ。ありがとうございます」

「いいえー! またね、芽衣ちゃん!」



そう言って手を振りながら、颯汰先輩は昇降口へ向かって歩いていく。

その姿が完全に見えなくなってから、私は握っていたメモ用紙を開いた。


……奏多先輩、きれいな字だなぁ。

今日も助けてもらっちゃったな。

“好き”って気持ちが、どんどんあふれてくる。
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