ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
「ワンピース似合うね。……髪型も可愛い」



じっと、私を見る奏多先輩。

褒められたことが、すごく嬉しくて。

だけど、照れくさくて。

私は奏多先輩から目をそらしてしまう。



「……あ、ありがとうございます」



声がうまく出ない。

頬が熱くなっているのが分かる。

好きな人に“可愛い”って言ってもうのって、こんな気持ちになるんだな。

舞い上がりたいけれど、舞い上がれない。

そんな感じ。


私は、この落ち着かない空気を変えたくて、別の話を振る。



「奏多先輩は実家暮らしですか?」

「一人暮らしだよ」

「そうなんですね」



……会話終了。

ダメだ。

緊張してしまって話を続けることが出来ない。

もっと、奏多先輩とおしゃべりしたいのに。

そんな私の気持ちを悟ってくれたのか、奏多先輩が話を広げてくれる。
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