ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
「クロは男の子だけどね、甘えん坊なんだ」

「男の子なんですね！　……私にも甘えてくれるかな」

「芽衣なら、すぐに打ち解けると思う」



嬉しそうな笑顔を見せる奏多先輩。

早くクロちゃんを見たいなぁ。


だけど。



「私、猫ちゃんと触れたことなくて。……大丈夫ですかね？」



うちは、動物を飼ったことがない。

親戚の家とか、知り合いの家とかに動物がいる、って話も聞いたことがない。

だから、猫ちゃんと触れ合うのは、今日が初めてになる、と言っても過言ではない。


触り方とか、撫で方とか、抱っこの仕方も分からない。

大丈夫かなぁ。



「猫はね、人間がビクビクしていると逃げていっちゃうから」

「そうなんですか？」

「“可愛い”って接してあげれば、猫も心許してくれるようになるよ」



そっか。

触れ方が分からない、ってオドオドしているのも良くないのかな。

だったら、奏多先輩に触れ方とか聞いておきたい。
< 88 / 253 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop