ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
「どこに触れたらいいんですか?」

「えっとねー、」



途切れない会話。

クロちゃんに早く会ってみたいなぁ。

楽しみだ。


当初の『勉強会』の話を忘れてしまうくらい、猫ちゃんについて話す私たち。

気がつけば、アパートの前に着いていた。



「あ、着いた」



奏多先輩が2階建てアパートの階段を上る。

続いて私も階段を上る。

素敵なアパートだなぁ。


奏多先輩は、一番奥の部屋の前に立つと鍵を開けた。

部屋の中から微かに聞こえる、猫ちゃんの可愛い鳴き声。

……クロちゃんの鳴き声かな?



「入って」



奏多先輩に言われて、玄関に入る。

玄関に入ると急に緊張してきた。

さっきまで、猫ちゃんの話をしていたから意識していなかったけれど、この状況って奏多先輩と2人きりだ。
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