ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
「早くクロちゃんに慣れてもらう!」



急に宣言をした私に、目を丸くする奏多先輩。

それから、ふっと笑って。



「頑張って」



と、視線を向けてくれた。

そして、すぐにクロちゃんへと視線を戻す奏多先輩。


……クロちゃんがうらやましい。

奏多先輩に、たくさん撫でてもらって。

奏多先輩にいっぱい見つめてもらって。

奏多先輩にぎゅってされて。


うらやましい。



「私も猫になりたい」



気がついたら、心の声が漏れていた。

口をふさぐ私。

時すでに遅し。

奏多先輩はびっくりした表情で私を見ていた。

だけど、すぐに意地悪な笑顔で。



「芽衣はどちらかっていうと、ワンコだね」

「えっ、」



それって、褒め言葉?

よく分からないけれど、奏多先輩に見ていてもらえるなら、なんでもいい。

かなりの重症。
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