ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
「数学が難しいです」



公式とか全然分からない。

公式を覚えても、どこにどうやって使っていいのか分からない。

授業で『この問題を解いてみろ!』って指名されたら、絶対答えられない。

頭真っ白。

パニックになる。


そのまま、奏多先輩に伝えると、笑われた。

そんな面白いことを言っているわけじゃないんだけどなぁ。

笑いが落ち着いたのか、奏多先輩は涙をぬぐいながら、数学の教科書を開いた。



「じゃあ、数学やろっか」

「お願いします……。って、奏多先輩、自分の勉強は?」

「1年生のときに勉強したものを振り返るのも大切だからね」



……そういうものなのか。

受験生って大変だなぁ。

広範囲の勉強をしなくちゃいけないなんて。

今から、受験の日のために気合入れて勉強しよう。

って、有言実行できるか分からないけれど。



「まず、この問題解いてみて?」



奏多先輩が、教科書の問題を指さす。


……奏多先輩、きれいな手、しているんだなぁ。

なんて見惚れていると。
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