ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
「完成だよ」



そう言って、奏多先輩は2人分のオムライスを、先ほどのローテーブルに運ぶ。

クッションに座った私たちは『いただきます』をする。

ナイフとフォークでオムレツを切る。

とろり、と広がるオムレツ。



「すごいですっ! テレビで見るオムライスだ!」



興奮する私に、照れくさそうにする奏多先輩。

ふわっと、おいしそうな匂いが食欲をそそる。



「食べていいですかっ⁉」

「うん、食べて」



奏多先輩が作ったオムライス……。

私はスプーンでオムライスをすくう。

そのまま、一口。



「……おいしい!」

「よかった」



口に広がる甘さと、柔らかい酸味。

半熟の卵がとろけておいしい。

初めて、こんなにおいしいオムライスを食べた。

私の様子を見てから、奏多先輩も食べ始める。

奏多先輩もおいしそうに食べている。



「幸せです!」



こんなにおいしいものを食べることが出来て。

好きな人と同じものを食べることが出来て。

こんなに幸せなことはない。


私の言葉に一瞬驚いた様子の奏多先輩。

すぐに、いつもの柔らかい表情に戻って。
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