イケメン年下男子との甘々同居生活♪
「え? あぁ、実はですね……」
なんだろう、キョロキョロと周りを確認して私に小声で話しかけてくる。
「あの、沖田さんっているじゃないですか?」
彼の名前が出てきたビックリした。 まさか、このタイミングで登場するなんて思ってもいない。
「それがどうかしたの?」
ま、まさか……手毬さんってもしかすると……。
「あの人絶対に神薙さんのこと好きですよ」
「ぶっ!」
思わず飲んでいたビールを吹きだしそうになってしまう。
予想外の名前に更に斜め上の言葉が飛び出し、少しむせてしまった。
「だ、大丈夫ですか⁉ え? もしかして、気が付いていないんですか? あんなに熱心に係長のところに通っているのに」
あのね、それは私ではなくて手毬さんを見に来ているのよ、って喉まで出かけているのを無理やり飲み込むと、彼女を見て私は苦笑を浮かべてしまう。
「えぇ、そ、そう? 私にはそんな風にはみえないけれど」
「いえ、絶対ですよ。間違いありませんって、こう見えても私って恋愛の感が鋭いって自分では思っているんですから」
自分ではね……あまりにも微妙な自慢に困惑してしまうが、ここはと思い私も少し攻めてみることにした。
「なに? そんなことをワザワザ言うために誘ってくれたの? もしかして、手毬さんは沖田くんのこと好きなのかしら?」
彼女は私の言葉を聞いて、二杯目に頼んだレモンサワーをチビっと飲むと大きな目をキョロッとさせてグラスを置いた。
「沖田くんですか? いや~あり得ませんね、私って実はこういった人たちが好きなんですよ」
そう言って、鞄からスマートフォンを取り出すと何度か操作し私に画面を見せてくる。
「こ、これが手毬さんの好きな男性のタイプ?」
ニコニコと満面の笑みで頷き、見せてきたのは唯一股間のあたりに細いパンツで隠れているが、他は全部さらけ出されており、更に肌は健康的な日焼けとなぜかテカテカと光っていた。
そして、一番目立っていたのは男性が腕の力こぶを見せつける感じのポーズをしている。
これはつまり……。
「ボディビル?」
恐る恐る聞いてみると、また彼女は大きく頷きグイっと近寄ってきた。
「凄いですよね! いわゆるマッチョってやつですよ! 見てくださいよこの筋肉、綺麗じゃないですか⁉」
恍惚な表情で何枚ものマッチョの画像を眺め、このポーズはこうだの、彼はこんな食事をしているだの詳しく説明してくれた。
あぁ、これはあれね、沖田くん残念だけど彼女の好みの真逆かもしれないわ。
「そ、そう! 良かったわね、私はちょっとわからないけれど、凄く好きなのは伝わってきたかな」
「良かったぁ~! 前は色んな人に言っても中々理解してもらえませんでしたが、やっぱり神薙さんは違いますね」
よしゃ――! っと、勢いがついてきたのか梅酒のロックを頼んでグイグイと飲み始める。
普段の様子とは全然違う彼女を見れて、私としては満足なのだけど、相談ってもしかしてこれだけ?
しかも、酔いがまわるうちに段々と男性の話題から職場の不満だったり、他の部署の恋愛沙汰がメインになっていき、当初の話は出てこない。
でも、これはこれでなんだか楽しいかも、普段会社の飲み会しか参加しない私がこうやって若い人と楽しく飲むなんて考えもしなかった。
「あ、そう言えば思い出しました。で? どうなんですか神薙さんは沖田くんのことをどう思っているんですか?」
トータルで十杯ほどのお酒を体内に入れた手毬さんは、気が大きくなったのか私に問い詰める感じで接してきた。
しかも、今それを蒸し返すの? こちらも酔ってきており、本当ははぐらかすつもりだったが、つい本音が出てしまう。
「沖田くん? あぁ、真面目で一生懸命だと思うけど私にはちょっと若すぎるし、恋愛対象には見れないかな」
「へぇ、係長は下よりも上が好みと……」
メモをとるふりをしながら磯辺揚げを食べている。
これは相当酔っているのかもしれない、でも、勢いに乗り出した彼女を止める方法は私にはわからなかった。
「もしかして、今彼氏さんとかいるんですか? 神薙さん綺麗ですし、会社だとクールビューティー的な感じがして男性陣が声かけないんですよねぇ」
「何を言っているのよ、そんなわけないじゃない」
彼氏という言葉を聞いて、ふと志賀くんの顔が浮かんでしまう。
一瞬心臓がトクンっと脈打つも、これは酔っているからと思い込もうとしたとき、奥の席で若い男性の声が聞こえてきた。
「おいおい! 待てって、今お前に帰られると困るんだって」
「無理だって、お酒無しでって言ったのに居酒屋に連れてこられるし、俺はもう帰らないと」
「大丈夫、ノンアルコールだけだからさ、本当にお願い! ほら、お前がいないと女性陣帰っちゃうしさ」
バタバタと後ろから男性二人のやりとりが聞こえてくるが、合コンか何かだろうか? いいなぁ、大学時代に数回行っただけで、それ以降は経験がない。
しかし、心なしか一人の声は妙に聞き覚えがあった。
「あん? 誰ですかぁ、騒がしいですねぇ」
「ちょっと! 手毬さん飲み過ぎよ」
ジト目で奥からやってくる二人を睨むようなスタイルになる彼女を止めようとしたとき、不意に名前が呼ばれた。
「神薙さん?」
「え?」
なんだろう、キョロキョロと周りを確認して私に小声で話しかけてくる。
「あの、沖田さんっているじゃないですか?」
彼の名前が出てきたビックリした。 まさか、このタイミングで登場するなんて思ってもいない。
「それがどうかしたの?」
ま、まさか……手毬さんってもしかすると……。
「あの人絶対に神薙さんのこと好きですよ」
「ぶっ!」
思わず飲んでいたビールを吹きだしそうになってしまう。
予想外の名前に更に斜め上の言葉が飛び出し、少しむせてしまった。
「だ、大丈夫ですか⁉ え? もしかして、気が付いていないんですか? あんなに熱心に係長のところに通っているのに」
あのね、それは私ではなくて手毬さんを見に来ているのよ、って喉まで出かけているのを無理やり飲み込むと、彼女を見て私は苦笑を浮かべてしまう。
「えぇ、そ、そう? 私にはそんな風にはみえないけれど」
「いえ、絶対ですよ。間違いありませんって、こう見えても私って恋愛の感が鋭いって自分では思っているんですから」
自分ではね……あまりにも微妙な自慢に困惑してしまうが、ここはと思い私も少し攻めてみることにした。
「なに? そんなことをワザワザ言うために誘ってくれたの? もしかして、手毬さんは沖田くんのこと好きなのかしら?」
彼女は私の言葉を聞いて、二杯目に頼んだレモンサワーをチビっと飲むと大きな目をキョロッとさせてグラスを置いた。
「沖田くんですか? いや~あり得ませんね、私って実はこういった人たちが好きなんですよ」
そう言って、鞄からスマートフォンを取り出すと何度か操作し私に画面を見せてくる。
「こ、これが手毬さんの好きな男性のタイプ?」
ニコニコと満面の笑みで頷き、見せてきたのは唯一股間のあたりに細いパンツで隠れているが、他は全部さらけ出されており、更に肌は健康的な日焼けとなぜかテカテカと光っていた。
そして、一番目立っていたのは男性が腕の力こぶを見せつける感じのポーズをしている。
これはつまり……。
「ボディビル?」
恐る恐る聞いてみると、また彼女は大きく頷きグイっと近寄ってきた。
「凄いですよね! いわゆるマッチョってやつですよ! 見てくださいよこの筋肉、綺麗じゃないですか⁉」
恍惚な表情で何枚ものマッチョの画像を眺め、このポーズはこうだの、彼はこんな食事をしているだの詳しく説明してくれた。
あぁ、これはあれね、沖田くん残念だけど彼女の好みの真逆かもしれないわ。
「そ、そう! 良かったわね、私はちょっとわからないけれど、凄く好きなのは伝わってきたかな」
「良かったぁ~! 前は色んな人に言っても中々理解してもらえませんでしたが、やっぱり神薙さんは違いますね」
よしゃ――! っと、勢いがついてきたのか梅酒のロックを頼んでグイグイと飲み始める。
普段の様子とは全然違う彼女を見れて、私としては満足なのだけど、相談ってもしかしてこれだけ?
しかも、酔いがまわるうちに段々と男性の話題から職場の不満だったり、他の部署の恋愛沙汰がメインになっていき、当初の話は出てこない。
でも、これはこれでなんだか楽しいかも、普段会社の飲み会しか参加しない私がこうやって若い人と楽しく飲むなんて考えもしなかった。
「あ、そう言えば思い出しました。で? どうなんですか神薙さんは沖田くんのことをどう思っているんですか?」
トータルで十杯ほどのお酒を体内に入れた手毬さんは、気が大きくなったのか私に問い詰める感じで接してきた。
しかも、今それを蒸し返すの? こちらも酔ってきており、本当ははぐらかすつもりだったが、つい本音が出てしまう。
「沖田くん? あぁ、真面目で一生懸命だと思うけど私にはちょっと若すぎるし、恋愛対象には見れないかな」
「へぇ、係長は下よりも上が好みと……」
メモをとるふりをしながら磯辺揚げを食べている。
これは相当酔っているのかもしれない、でも、勢いに乗り出した彼女を止める方法は私にはわからなかった。
「もしかして、今彼氏さんとかいるんですか? 神薙さん綺麗ですし、会社だとクールビューティー的な感じがして男性陣が声かけないんですよねぇ」
「何を言っているのよ、そんなわけないじゃない」
彼氏という言葉を聞いて、ふと志賀くんの顔が浮かんでしまう。
一瞬心臓がトクンっと脈打つも、これは酔っているからと思い込もうとしたとき、奥の席で若い男性の声が聞こえてきた。
「おいおい! 待てって、今お前に帰られると困るんだって」
「無理だって、お酒無しでって言ったのに居酒屋に連れてこられるし、俺はもう帰らないと」
「大丈夫、ノンアルコールだけだからさ、本当にお願い! ほら、お前がいないと女性陣帰っちゃうしさ」
バタバタと後ろから男性二人のやりとりが聞こえてくるが、合コンか何かだろうか? いいなぁ、大学時代に数回行っただけで、それ以降は経験がない。
しかし、心なしか一人の声は妙に聞き覚えがあった。
「あん? 誰ですかぁ、騒がしいですねぇ」
「ちょっと! 手毬さん飲み過ぎよ」
ジト目で奥からやってくる二人を睨むようなスタイルになる彼女を止めようとしたとき、不意に名前が呼ばれた。
「神薙さん?」
「え?」