イケメン年下男子との甘々同居生活♪
志賀樹という存在
無言で車は走っていく。
横顔をチラッと確認してみると、なんだか怒っているような気がしてならない。
「あ、あのどうしたのこの車?」
「……」
ブゥン――! 回転数があがり、スピードも増して高速道路へと入っていく。
しばらく一定のスピードで運転していると、彼が口を開いた。
「あの人は?」
「え? えっと、彼は漆田くんって言って、大学時代の知り合いよ」
嘘は言っていないけれど、なんだか不満そうな感じで聞いてくる。
「そうじゃなくて、恋人とか?」
私は少し迷って、素直に伝えることにした。
以前付き合っていたことや、今告白されたことなど、それを黙って彼は聞いてくれる。
ただ、私が断ったことを聞いたタイミングでアクセルを踏む力が弱まったのは感じ取れた。
「そっか、ならよかった……やっぱり紗香さんモテるから」
「いやいや、モテたことないわよ。彼以外恋人だっていたことなかったし……」
外を見ると、街の明かりが夜を彩っており、幻想的な世界を造っている。
志賀くんはそれ以降、また黙ってしまい、近くのインターチェンジで降りると海が見える丘の公園まで到着すると車を停めた。
「どうしたの?」
「降りてください」
またドアが上に開き、慣れない仕様に戸惑いつつ降りると、急に手をつながれる。
そして、そのまま公園の奥まで到着すると、志賀くんは私を向いてこう言ってきた。
「前、俺の気持ちを伝えましたけど、不満でした? そ、その他の男性と会うかもって思ったら居ても立っても居られなくなって会社からそのまま車で帰っていたら、二人を見かけて」
「え? ちょっと待って、何を言っているの?」
彼の言葉全てが理解できない、前に気持ちを伝えた? 会社からそのまま? いったい彼は何を言いたいのか全然理解できないでいる。
「何って、もう一度言いますか? 俺は……」
一瞬空気を飲み込み、まっすぐに私を見つめてくる。
この薄暗い常夜灯の灯りだけの世界でもはっきりと彼の頬が赤みを増しているのはわかった。
「紗香さんのことが好きです」
ドクンッ。 心臓が急激に動き出した。
きょろきょろと視界が揺らぎ、彼の顔をまともに見られない。
「そ、それってライクの意味で?」
何を私は言っているのか、この状況とタイミングでそんな意味であることはないってわかりきっているのに、馬鹿なの⁉
一日で二人の男性に告白なんて、誰もが経験するわけでもなく、むしろ滅多にないのでは? そんな余計なことばかりが頭の中をめぐっていく。
「ッ! そ、そんな訳ないじゃないですか!」
ガバっと抱きしめられ、優しい声が耳元で囁かれる。
「す、好きです。本当です。ずっと前から」
ずっと前から……? 疑問は残るけれど、彼から本音を聞けたのは素直に嬉しい。
徐々に私の気持ちが溢れていくのがわかる。 どうしよう、抑えられないかもしれない。
「ど、どうしたんですか?」
ホロホロと大人げなく涙を流してしまう。
だって、私だけだと思っていたのに、都合の良い抱けるだけの女性だって思われていたらそれでも我慢できるかもって考えていた時もあったけれど、やっぱり違う。
「わたし、キミより年上だよ?」
「だからなんですか? 紗香さんの魅力は年齢なんて関係ないと思いますけど」
抱きしめる腕に力がこもる。
私は顔を上げると、優しい顔がそこにはあった。
「本当に本当?」
その返事の代わりにキスをしてくれる。
今まで一番優しくてゆっくりとしたキスで、なんだろう心も満たされるような感覚になる。
「これでも信じてくれませんか?」
フルフルと首を横に振ると、今度は私から彼にキスをした。
先ほどとは違い、勢いも激しさも増して、それを受け入れてくれる。
長い口付けが終わると、お互いの額をくっつけながら会話をしていく、少し寒くなってきたが温かさばかりが私たちを包み込んでいた。
「えっと、こんな私だけど、よ、よろしくお願いいたします」
「紗香さんだったら、俺は全部OKですよ。安心してください」
いつの間にか当たり前になった志賀くんの香りが、鼻を刺激する。
ちょっとのことでも、こんなにもドキドキしてしまうなんて……。
私たちは名残惜しそうに離れると、また車へと戻っていく。
鍵が開けられ、乗り込むとエンジンが始動する。
「こ、これって志賀くんの?」
「ん? あぁ、そうですね。自分のです。ちょっと頑張ったご褒美にって思って購入しました」
頑張ったご褒美⁉ アルバイトで買えるような金額でないのは、私だって理解していた。
詳しく聞こうとすると、彼はただニコニコとするばかりで何も答えてくれない。
ただ「帰りますか」と言って、私たちの家を目指して走り出していった。
***
これから、延々とイチャイチャタイムです。
よろしくお願いいたします。
横顔をチラッと確認してみると、なんだか怒っているような気がしてならない。
「あ、あのどうしたのこの車?」
「……」
ブゥン――! 回転数があがり、スピードも増して高速道路へと入っていく。
しばらく一定のスピードで運転していると、彼が口を開いた。
「あの人は?」
「え? えっと、彼は漆田くんって言って、大学時代の知り合いよ」
嘘は言っていないけれど、なんだか不満そうな感じで聞いてくる。
「そうじゃなくて、恋人とか?」
私は少し迷って、素直に伝えることにした。
以前付き合っていたことや、今告白されたことなど、それを黙って彼は聞いてくれる。
ただ、私が断ったことを聞いたタイミングでアクセルを踏む力が弱まったのは感じ取れた。
「そっか、ならよかった……やっぱり紗香さんモテるから」
「いやいや、モテたことないわよ。彼以外恋人だっていたことなかったし……」
外を見ると、街の明かりが夜を彩っており、幻想的な世界を造っている。
志賀くんはそれ以降、また黙ってしまい、近くのインターチェンジで降りると海が見える丘の公園まで到着すると車を停めた。
「どうしたの?」
「降りてください」
またドアが上に開き、慣れない仕様に戸惑いつつ降りると、急に手をつながれる。
そして、そのまま公園の奥まで到着すると、志賀くんは私を向いてこう言ってきた。
「前、俺の気持ちを伝えましたけど、不満でした? そ、その他の男性と会うかもって思ったら居ても立っても居られなくなって会社からそのまま車で帰っていたら、二人を見かけて」
「え? ちょっと待って、何を言っているの?」
彼の言葉全てが理解できない、前に気持ちを伝えた? 会社からそのまま? いったい彼は何を言いたいのか全然理解できないでいる。
「何って、もう一度言いますか? 俺は……」
一瞬空気を飲み込み、まっすぐに私を見つめてくる。
この薄暗い常夜灯の灯りだけの世界でもはっきりと彼の頬が赤みを増しているのはわかった。
「紗香さんのことが好きです」
ドクンッ。 心臓が急激に動き出した。
きょろきょろと視界が揺らぎ、彼の顔をまともに見られない。
「そ、それってライクの意味で?」
何を私は言っているのか、この状況とタイミングでそんな意味であることはないってわかりきっているのに、馬鹿なの⁉
一日で二人の男性に告白なんて、誰もが経験するわけでもなく、むしろ滅多にないのでは? そんな余計なことばかりが頭の中をめぐっていく。
「ッ! そ、そんな訳ないじゃないですか!」
ガバっと抱きしめられ、優しい声が耳元で囁かれる。
「す、好きです。本当です。ずっと前から」
ずっと前から……? 疑問は残るけれど、彼から本音を聞けたのは素直に嬉しい。
徐々に私の気持ちが溢れていくのがわかる。 どうしよう、抑えられないかもしれない。
「ど、どうしたんですか?」
ホロホロと大人げなく涙を流してしまう。
だって、私だけだと思っていたのに、都合の良い抱けるだけの女性だって思われていたらそれでも我慢できるかもって考えていた時もあったけれど、やっぱり違う。
「わたし、キミより年上だよ?」
「だからなんですか? 紗香さんの魅力は年齢なんて関係ないと思いますけど」
抱きしめる腕に力がこもる。
私は顔を上げると、優しい顔がそこにはあった。
「本当に本当?」
その返事の代わりにキスをしてくれる。
今まで一番優しくてゆっくりとしたキスで、なんだろう心も満たされるような感覚になる。
「これでも信じてくれませんか?」
フルフルと首を横に振ると、今度は私から彼にキスをした。
先ほどとは違い、勢いも激しさも増して、それを受け入れてくれる。
長い口付けが終わると、お互いの額をくっつけながら会話をしていく、少し寒くなってきたが温かさばかりが私たちを包み込んでいた。
「えっと、こんな私だけど、よ、よろしくお願いいたします」
「紗香さんだったら、俺は全部OKですよ。安心してください」
いつの間にか当たり前になった志賀くんの香りが、鼻を刺激する。
ちょっとのことでも、こんなにもドキドキしてしまうなんて……。
私たちは名残惜しそうに離れると、また車へと戻っていく。
鍵が開けられ、乗り込むとエンジンが始動する。
「こ、これって志賀くんの?」
「ん? あぁ、そうですね。自分のです。ちょっと頑張ったご褒美にって思って購入しました」
頑張ったご褒美⁉ アルバイトで買えるような金額でないのは、私だって理解していた。
詳しく聞こうとすると、彼はただニコニコとするばかりで何も答えてくれない。
ただ「帰りますか」と言って、私たちの家を目指して走り出していった。
***
これから、延々とイチャイチャタイムです。
よろしくお願いいたします。