イケメン年下男子との甘々同居生活♪
「お昼ですね、どうしますか? どこかに食べにいきます?」
志賀くんが提案してくれたが、基本的に私は外にはあまり出たくない派である。
休日は、なるべくゆっくり過ごしたいのだけれど、今回は条件が違う。
「良いわね、朝ご飯のお礼に何かご馳走させてくれない?」
「え? そ、そんな大丈夫ですよ! お金なら心配ないですから」
「確かに、お金の心配はなさそうだけど、今回は私が奢りたいの、言ったでしょ? お礼、そのかわり今後はルールを決めたからお礼は無し、感謝はあるけれどね」
そう、ルールを決めるまえの素敵な朝食への、私なりの恩返しと言えば聞こえがよいかもしれないが、正直私は彼ほど料理が上手ではない。
できなくないが、自慢できるほどでもなかった。
「そうですか、では、今回はという条件で」
ニッコリ笑って、席を立つと寝室に入って行こうとするも、一歩立ち止まってこちらを向いた。
「あ、あの入っても良いですか?」
あぁ、確かに今まで私が寝ていたので、気にしてくれるのはありがたい。
「えぇ、大丈夫よ」
着替えを置いておくスペースも考えなければ、幸いなことに、このマンションは広いので私の荷物がプラスされても、問題はなさそうだけれど。
「失礼します……」
少し緊張ぎみに入っていくが、そんなに大変かしら? ベッドは元通りにしているし、バッグも中身はきっちり戻したので、スマフォの充電器ぐらいしか外には出していない。
「……さんの香りが……」
何か言っているが、私までは聞こえてこない、珈琲の後に淹れてくれた緑茶を飲みつつ、彼を待つことにする。
「私も一度戻って着替えてくるわね、お昼は少し過ぎてしまうけれど大丈夫?」
「あ、はい大丈夫です。 その間に部屋を少しだけ変えていますね」
往復一時間ってところかしら? 部屋に戻って、着替えを済ませて戻ってくると、どうせなら少し荷物を持ってこうよう、本格的な運び出しは明日から行っても問題なさそうだ。
部屋を出て、一度ドアを見ると、また不思議な感覚になる。
「変なの、そこまで嫌な感じがしない……」
自分でもおかしいと思うけれど、彼と一緒にいても、あまり嫌な感じはしなかった。
それは、顔が良いとかではなく、志賀くんが私に張っている見えない壁のようなものが、あまり感じられないからだろうか?
「特別距離が近いってわけでもないんだけどね」
ある程度の距離感はあるけれど、分厚い壁のようなものが感じられないので、自然と私もそうしているのかもしれない。
とりあえず、居心地が悪いとはおもえなかった。
「それに……」
もしかすると、彼は私に好意があるのかもしれない。
頬に風があたると、そこだけがまだ熱をもっているかのように、感触が違っていた。
「バカ、きっと気の迷いよね」
それに、志賀くんぐらい顔が整っているなら、女性には困らないだろうし、実家もおそらくお金がありそうだから、なおさらね。
あれは、私が若い男性と一緒の空間にいたので、見てしまった夢と思うことにしたよう。
そう思えば、かなり気が楽だった。
「さて、電車の時間は?」
ちょうどよいのがあったので、私はそれを目指して歩き始める。
軽くお化粧もしてこよう。
どこのお店に行こうかな? などと考えながら歩くのは、久しぶりであった。
「空が青い」
真っ青な空を見上げると、一羽の鳥が頭上を横切っていった。
休日のお昼に空を見たのは、いったいいつぶりだろうか? なんだか、いつもより、少しだけ体が軽いように思える。
***
着替えを済ませ、軽くお化粧をしてからマンションに戻ると少し予定していた時間を過ぎてしまっていた、。
「ごめんなさい、お待たせ」
慌てながら入ると、今朝と同じ椅子に腰かけながら本を読んでいる。
「あ、全然大丈夫ですよ。寝室の整理とかできたので、後は別々に暮らしても問題ありません」
彼が寝ると言ってくれたソファーは、ベッドとしても機能するようで、かなり申し訳ないがしばらくそこで我慢してもらうことにした。
一応、私がそこで寝ると言っても、彼は絶対に首を縦に振ってくれなかったので、最終的に折れたのは私の方でもあったけれど。
「そう、それなら、行きましょう……って、随分小難しい本を読んでいるわね」
彼が持っている本が目に入る。
表紙には、白黒である経営者が描かれており、ヨーロッパの航空会社をいくつも再建した人物が書いた本である。
「え? あぁ、売れていると聞いたので、買ってみましたが、俺にはどうやら難しすぎて」
苦笑しながら、本を閉じると立ち上がり私の横に来るとニッコリと笑う。
その笑顔があまりにも可愛いので、子猫のようにその癖っ毛をウリウリしたくなったのは秘密にしておこう。
「それじゃぁ行きましょう」
随分と時間がかかってしまったが、同居人とお昼を初めて食べにいく。
お店は私が前々から気になっていた近くのスペイン料理店、志賀くんに何が食べたいの? と、聞いても「神薙さんが食べたいもので」としか答えてくれない。
だから、私の好みで選ばせてもらったが、嬉しそうにしてくれているので、良かったと思う。
あまり気を使い過ぎると、もたないので、今後はお互いの好みはハッキリとしていかなければならない。
「いらっしゃいませ」
店員さんの声が聞こえると同時に、席にスムーズに案内されメニューが手わたされる。
「好きなの食べてね」
「はい、いただきます」
そうそう、素直が一番なんだから。
志賀くんが提案してくれたが、基本的に私は外にはあまり出たくない派である。
休日は、なるべくゆっくり過ごしたいのだけれど、今回は条件が違う。
「良いわね、朝ご飯のお礼に何かご馳走させてくれない?」
「え? そ、そんな大丈夫ですよ! お金なら心配ないですから」
「確かに、お金の心配はなさそうだけど、今回は私が奢りたいの、言ったでしょ? お礼、そのかわり今後はルールを決めたからお礼は無し、感謝はあるけれどね」
そう、ルールを決めるまえの素敵な朝食への、私なりの恩返しと言えば聞こえがよいかもしれないが、正直私は彼ほど料理が上手ではない。
できなくないが、自慢できるほどでもなかった。
「そうですか、では、今回はという条件で」
ニッコリ笑って、席を立つと寝室に入って行こうとするも、一歩立ち止まってこちらを向いた。
「あ、あの入っても良いですか?」
あぁ、確かに今まで私が寝ていたので、気にしてくれるのはありがたい。
「えぇ、大丈夫よ」
着替えを置いておくスペースも考えなければ、幸いなことに、このマンションは広いので私の荷物がプラスされても、問題はなさそうだけれど。
「失礼します……」
少し緊張ぎみに入っていくが、そんなに大変かしら? ベッドは元通りにしているし、バッグも中身はきっちり戻したので、スマフォの充電器ぐらいしか外には出していない。
「……さんの香りが……」
何か言っているが、私までは聞こえてこない、珈琲の後に淹れてくれた緑茶を飲みつつ、彼を待つことにする。
「私も一度戻って着替えてくるわね、お昼は少し過ぎてしまうけれど大丈夫?」
「あ、はい大丈夫です。 その間に部屋を少しだけ変えていますね」
往復一時間ってところかしら? 部屋に戻って、着替えを済ませて戻ってくると、どうせなら少し荷物を持ってこうよう、本格的な運び出しは明日から行っても問題なさそうだ。
部屋を出て、一度ドアを見ると、また不思議な感覚になる。
「変なの、そこまで嫌な感じがしない……」
自分でもおかしいと思うけれど、彼と一緒にいても、あまり嫌な感じはしなかった。
それは、顔が良いとかではなく、志賀くんが私に張っている見えない壁のようなものが、あまり感じられないからだろうか?
「特別距離が近いってわけでもないんだけどね」
ある程度の距離感はあるけれど、分厚い壁のようなものが感じられないので、自然と私もそうしているのかもしれない。
とりあえず、居心地が悪いとはおもえなかった。
「それに……」
もしかすると、彼は私に好意があるのかもしれない。
頬に風があたると、そこだけがまだ熱をもっているかのように、感触が違っていた。
「バカ、きっと気の迷いよね」
それに、志賀くんぐらい顔が整っているなら、女性には困らないだろうし、実家もおそらくお金がありそうだから、なおさらね。
あれは、私が若い男性と一緒の空間にいたので、見てしまった夢と思うことにしたよう。
そう思えば、かなり気が楽だった。
「さて、電車の時間は?」
ちょうどよいのがあったので、私はそれを目指して歩き始める。
軽くお化粧もしてこよう。
どこのお店に行こうかな? などと考えながら歩くのは、久しぶりであった。
「空が青い」
真っ青な空を見上げると、一羽の鳥が頭上を横切っていった。
休日のお昼に空を見たのは、いったいいつぶりだろうか? なんだか、いつもより、少しだけ体が軽いように思える。
***
着替えを済ませ、軽くお化粧をしてからマンションに戻ると少し予定していた時間を過ぎてしまっていた、。
「ごめんなさい、お待たせ」
慌てながら入ると、今朝と同じ椅子に腰かけながら本を読んでいる。
「あ、全然大丈夫ですよ。寝室の整理とかできたので、後は別々に暮らしても問題ありません」
彼が寝ると言ってくれたソファーは、ベッドとしても機能するようで、かなり申し訳ないがしばらくそこで我慢してもらうことにした。
一応、私がそこで寝ると言っても、彼は絶対に首を縦に振ってくれなかったので、最終的に折れたのは私の方でもあったけれど。
「そう、それなら、行きましょう……って、随分小難しい本を読んでいるわね」
彼が持っている本が目に入る。
表紙には、白黒である経営者が描かれており、ヨーロッパの航空会社をいくつも再建した人物が書いた本である。
「え? あぁ、売れていると聞いたので、買ってみましたが、俺にはどうやら難しすぎて」
苦笑しながら、本を閉じると立ち上がり私の横に来るとニッコリと笑う。
その笑顔があまりにも可愛いので、子猫のようにその癖っ毛をウリウリしたくなったのは秘密にしておこう。
「それじゃぁ行きましょう」
随分と時間がかかってしまったが、同居人とお昼を初めて食べにいく。
お店は私が前々から気になっていた近くのスペイン料理店、志賀くんに何が食べたいの? と、聞いても「神薙さんが食べたいもので」としか答えてくれない。
だから、私の好みで選ばせてもらったが、嬉しそうにしてくれているので、良かったと思う。
あまり気を使い過ぎると、もたないので、今後はお互いの好みはハッキリとしていかなければならない。
「いらっしゃいませ」
店員さんの声が聞こえると同時に、席にスムーズに案内されメニューが手わたされる。
「好きなの食べてね」
「はい、いただきます」
そうそう、素直が一番なんだから。