イケメン年下男子との甘々同居生活♪
寒い外から帰宅し、そのままリビングで彼を待つことにした。
短く切りそろえている自分の爪をみていると年齢を感じてしまう。
けれども、この手を握りながら外を歩いてくれる人がいる。
夜の時も、優しく添えてくるのが合図になりつつあった。
「好きか……」
普段の生活を思い浮かべるだけで、顔が緩んでしまう。
正直言って、楽しい生活だと感じる。
こんな満たされたまま生きていて良いのか? なんて、ことすら思ってしまうときがあった。
時計の針が音も無く時間を刻んでいく。
それを眺めていると、部屋の中が徐々に温まり始めると眠気がやってくる。
「ダメ、帰ってくるまで起きていないと、それに」
今日は私がご飯の当番なので、もう少ししたら料理を始めないといけない。
だけど、頭が重くなった感じがありちょっと横になろうとソファーに寝転がると段々と視界が回り始める。
「あ、これヤバいかも」
呼吸が乱れ始め、ぽうっとした感じになる。
たぶん熱があるかもしれない、そう思って立ち上がろうとするが力が入らない。
疲れているかもしれない、だから少しだけ、ほんの少しだけ休もうと思って目を閉じることにした。
***
何か私に触れる感覚で目を覚ましていく。
まだ頭が重く、体は動かない。 だけど、キッチンから聞きなれた音が聞こえてくる。
「あ……」
声を出そうとすると、ズキっと喉の奥が痛みうまく話すことができない。
だけど、私の気配に気が付いたのか樹くんの姿が見えた。
「大丈夫ですか?」
すこし冷えた手が額に当てられると、気持ちが良い。
いつ帰宅したのか、体には毛布がかけられテーブルには清涼飲料水が置かれている。
「ご、ごめんなさい」
「なんで謝るんですか? 紗香さんきっと疲れていたんですよ」
リビングの戸棚にしまわれている体温計を取り出してくると、私の熱を測ってくれた。
ピピっと電子音が鳴ると表示された数字を見て、更に体が怠くなる。
「へ? 38.2……」
思ったより高熱でクラクラが増していく。
だけど彼は笑顔のまま立ち上がり、熱さましシートを取り出してオデコに貼ってくれる。
そして、優しく頭を撫でてくれるとこう言った。
「休んでください、そして早く元気になってください」
「で、でも、樹くんのほうが忙しいんじゃ……」
そっと人差し指で唇を抑えられ、それ以上会話ができなくなる。
「今は自分の体のことを心配してくださいよ」
そう言って、体を支えてくれそのままベッドへと連れていってくれた。
ふかふかの世界に横になると、布団をかけてくれ頬に優しいキスをすると部屋を出ようとする。
「ありがとう」
「お気になさらずに、ご飯は食べられそうですか?」
「ちょっとなら」
それだけ聞いて軽く頷くと、部屋を出ていく。
軽くため息をついて、天井を見ると先ほどよりも意識ははっきりとしてきているが、相変わらずグワングワンとした頭痛が続いていた。
ここは素直に甘えることにして、休もう……早く回復して彼を楽にさせないと。
そんなことを考えていたが、ふと一人暮らしのときを思い出してしまう。
「あの頃は、具合が悪くても一人だったから」
会社に迷惑をかけないようにと、無理やり出社したり、ドラッグストアの風邪薬を飲んで寝込んでいた。
出社は今思えば、かなり迷惑だったろう……ごめんなさい。
心の中で、当時の人たちに頭を下げてもう一度眠ることにした。
つい先ほどまで眠っていたのに、また眠気がきている。
「本当にありがとう」
扉の向こうにいる樹くんの姿を思い浮かべて目を閉じる。
体はシンドイけれども、心は満たされたままで、安堵もするし早く良くなる気もした。
ご飯は玉子粥に、温かな中華スープ。
食べるとビリっと痛む喉を優しく通っていく。
「美味しい」
「よかった。はい」
そう言ってひと口分をレンゲですくうと口元にもってくる。
「待って、凄く自然に食べさせてもらっていたけれど、自分で食べられるから」
「いや、こんなときぐらい僕に食べさせてくださいよ」
すっと差し出されたが、段々と恥ずかしくなってきた。
「本当に大丈夫だから、ほら、それにいつも樹くんには助けられているから心配しなくとも……」
再度断ろうとしたら、目の前に真剣な表情で私を見つめてくる彼がいた。
「なにか勘違いしているかもしれませんが、助けられているのは自分のほうですよ。紗香さんはもっと頼ってください自分でなんでもかんでもこなそうと思わずに」
「え?」
言われて驚いてしまう。
だって、私は今までかなり彼に甘えていると思っていたが、そうじゃなかったの?
「どこか無理しているときがあるって思っていました。それはきっとまだ僕を百パーセント頼ってくれていないんじゃないか? ってずっと感じていたんですよ」
「そ、そんなことないわよ。私すごくあなたに頼っているし……そりゃ少しは年上らしくしようっては思っていたけれど」
「じゃぁ、その年上云々とか関係なく、普通にしててください。はい」
パクっと無理やり口に入れられ、ほどよく冷えた御粥がするっと胃に入っていく。
最初のころはしっかりしなくちゃいけないって思っていたけれど、最近はそれは無くなったと感じていたが心のどこかにはあったのかもしれない。
彼が告白してくれたときに言ってくれた。
年齢は関係なく「私」を好きになってくれたと……。
「はい、もうひと口食べますか?」
再度差し出される。
改めて思わされてしまった。
そう……年齢は関係ない、ただ私は樹くんが好きで、彼も私を愛してくれているという事実だけ。
「う……あ、あーん」
緊張しながら口を開けると、微笑みながら今度は優しく入れてくれる。
冷えていない熱々な御粥に驚いて咽そうになるのを堪えると、プッと笑い声が聞こえてくる。
「なんだか、不思議な感じですね」
「そ、そう?」
中華スープをほどよく冷まして渡してくれる。
「なんだか幸せかも」
「僕も同じこと考えていました」
気恥ずかしい気もしないわけではない。
でも、この満たされた世界に私たちは溶け込んでいっている。
短く切りそろえている自分の爪をみていると年齢を感じてしまう。
けれども、この手を握りながら外を歩いてくれる人がいる。
夜の時も、優しく添えてくるのが合図になりつつあった。
「好きか……」
普段の生活を思い浮かべるだけで、顔が緩んでしまう。
正直言って、楽しい生活だと感じる。
こんな満たされたまま生きていて良いのか? なんて、ことすら思ってしまうときがあった。
時計の針が音も無く時間を刻んでいく。
それを眺めていると、部屋の中が徐々に温まり始めると眠気がやってくる。
「ダメ、帰ってくるまで起きていないと、それに」
今日は私がご飯の当番なので、もう少ししたら料理を始めないといけない。
だけど、頭が重くなった感じがありちょっと横になろうとソファーに寝転がると段々と視界が回り始める。
「あ、これヤバいかも」
呼吸が乱れ始め、ぽうっとした感じになる。
たぶん熱があるかもしれない、そう思って立ち上がろうとするが力が入らない。
疲れているかもしれない、だから少しだけ、ほんの少しだけ休もうと思って目を閉じることにした。
***
何か私に触れる感覚で目を覚ましていく。
まだ頭が重く、体は動かない。 だけど、キッチンから聞きなれた音が聞こえてくる。
「あ……」
声を出そうとすると、ズキっと喉の奥が痛みうまく話すことができない。
だけど、私の気配に気が付いたのか樹くんの姿が見えた。
「大丈夫ですか?」
すこし冷えた手が額に当てられると、気持ちが良い。
いつ帰宅したのか、体には毛布がかけられテーブルには清涼飲料水が置かれている。
「ご、ごめんなさい」
「なんで謝るんですか? 紗香さんきっと疲れていたんですよ」
リビングの戸棚にしまわれている体温計を取り出してくると、私の熱を測ってくれた。
ピピっと電子音が鳴ると表示された数字を見て、更に体が怠くなる。
「へ? 38.2……」
思ったより高熱でクラクラが増していく。
だけど彼は笑顔のまま立ち上がり、熱さましシートを取り出してオデコに貼ってくれる。
そして、優しく頭を撫でてくれるとこう言った。
「休んでください、そして早く元気になってください」
「で、でも、樹くんのほうが忙しいんじゃ……」
そっと人差し指で唇を抑えられ、それ以上会話ができなくなる。
「今は自分の体のことを心配してくださいよ」
そう言って、体を支えてくれそのままベッドへと連れていってくれた。
ふかふかの世界に横になると、布団をかけてくれ頬に優しいキスをすると部屋を出ようとする。
「ありがとう」
「お気になさらずに、ご飯は食べられそうですか?」
「ちょっとなら」
それだけ聞いて軽く頷くと、部屋を出ていく。
軽くため息をついて、天井を見ると先ほどよりも意識ははっきりとしてきているが、相変わらずグワングワンとした頭痛が続いていた。
ここは素直に甘えることにして、休もう……早く回復して彼を楽にさせないと。
そんなことを考えていたが、ふと一人暮らしのときを思い出してしまう。
「あの頃は、具合が悪くても一人だったから」
会社に迷惑をかけないようにと、無理やり出社したり、ドラッグストアの風邪薬を飲んで寝込んでいた。
出社は今思えば、かなり迷惑だったろう……ごめんなさい。
心の中で、当時の人たちに頭を下げてもう一度眠ることにした。
つい先ほどまで眠っていたのに、また眠気がきている。
「本当にありがとう」
扉の向こうにいる樹くんの姿を思い浮かべて目を閉じる。
体はシンドイけれども、心は満たされたままで、安堵もするし早く良くなる気もした。
ご飯は玉子粥に、温かな中華スープ。
食べるとビリっと痛む喉を優しく通っていく。
「美味しい」
「よかった。はい」
そう言ってひと口分をレンゲですくうと口元にもってくる。
「待って、凄く自然に食べさせてもらっていたけれど、自分で食べられるから」
「いや、こんなときぐらい僕に食べさせてくださいよ」
すっと差し出されたが、段々と恥ずかしくなってきた。
「本当に大丈夫だから、ほら、それにいつも樹くんには助けられているから心配しなくとも……」
再度断ろうとしたら、目の前に真剣な表情で私を見つめてくる彼がいた。
「なにか勘違いしているかもしれませんが、助けられているのは自分のほうですよ。紗香さんはもっと頼ってください自分でなんでもかんでもこなそうと思わずに」
「え?」
言われて驚いてしまう。
だって、私は今までかなり彼に甘えていると思っていたが、そうじゃなかったの?
「どこか無理しているときがあるって思っていました。それはきっとまだ僕を百パーセント頼ってくれていないんじゃないか? ってずっと感じていたんですよ」
「そ、そんなことないわよ。私すごくあなたに頼っているし……そりゃ少しは年上らしくしようっては思っていたけれど」
「じゃぁ、その年上云々とか関係なく、普通にしててください。はい」
パクっと無理やり口に入れられ、ほどよく冷えた御粥がするっと胃に入っていく。
最初のころはしっかりしなくちゃいけないって思っていたけれど、最近はそれは無くなったと感じていたが心のどこかにはあったのかもしれない。
彼が告白してくれたときに言ってくれた。
年齢は関係なく「私」を好きになってくれたと……。
「はい、もうひと口食べますか?」
再度差し出される。
改めて思わされてしまった。
そう……年齢は関係ない、ただ私は樹くんが好きで、彼も私を愛してくれているという事実だけ。
「う……あ、あーん」
緊張しながら口を開けると、微笑みながら今度は優しく入れてくれる。
冷えていない熱々な御粥に驚いて咽そうになるのを堪えると、プッと笑い声が聞こえてくる。
「なんだか、不思議な感じですね」
「そ、そう?」
中華スープをほどよく冷まして渡してくれる。
「なんだか幸せかも」
「僕も同じこと考えていました」
気恥ずかしい気もしないわけではない。
でも、この満たされた世界に私たちは溶け込んでいっている。