イケメン年下男子との甘々同居生活♪
午後からも、私たちは黙々と作業をこなしていく。
こう、なんだろう? 仕事のモードに入った感じに似ているかもしれない。
それは彼も同じようで、腕まくりをしながら荷物を片付けてくれていた。
「ここでいいですか?」
「え? えぇ、ありがとう、置いててくれればあとは私がやるから」
不意に近づかれ、汗を流しているのか、少しそんな香りと柑橘類の匂いも混ざり、なんだか独特の感じする。
ただ、それは不快な感じでなく、ちょっとだけ胸がスクっと動くような香りだった。
細く白い腕、貧弱に見えるがれっきとした男性で、重い荷物も持ってくれるし、それに……。
夜の出来事を思い出してしまう。
あの細く柔らかな指で、だが、力強くもあった質感が体を駆け巡っていく。
(ちょっと、集中! 少し近づかれたぐらいで、何を考えているのよ私は)
自分が以前の彼氏と、行っても既に何年も前だが、付き合いたてのころを思い出してしまう。
初心すぎる自分がいたが、今もそれと同じ感じで彼を意識してしまっていた。
「これはまずいわね」
「ん? 何かいいました?」
私は慌てて「なんでもないよ」と伝えると、作業に集中するフリをした。
しかし、まったく手が動かない、ちくっと腰の違和感が増したような気がして、それと同時に体の芯も熱くなっていく。
「いや、これは……」
私はトイレに行くふりをして、軽く顔を冷やそうとする。
濡らしたタオルで、化粧が落ちない程度にポンポンと軽く頬にあてて熱を取り除いていくが、体の奥からこみ上げてくる感じに、まったく追いつかない。
その後も、変に意識をしてしまい、作業の殆どを彼に任せてしまった。
それにしても、仕事ができるのか要領がよいのか、どちらもなのかわらないけれども、私がポンコツ状態なのにスムーズに部屋の整理が終わっていく。
「す、すごい」
「やればできるもんですね」
すっかり人が十分暮らせる空間ができあがり、私は満足しながら見渡すと志賀くんも微笑んでくれた。
「本当は、あのまま寝室を使っていただいても構わないのですが」
「それはダメ、いつまでもソファーじゃあれだし、それにあのベッドとかは自分で買ったのでしょ? いつまでも私が使っているわけにはいかないでしょ」
それはそうだけど、みたいな表情になるものの、それ以上は反論してこない。
こう素直に受け止められるところは、凄く素敵だと思う。
無理に反発もしてこないし、たぶん納得はしてくれていないけれど、どこかできっちりと折り合いをつけてくれていた。
その日は、お互い疲れていたので近くのコンビニで買ったお弁当で晩御飯を済ませると、明日に備えて早めに寝室に入ることにした。
「くわぁ~……つ、疲れた」
慣れない肉体労働に加えて、想像とはまったく違う同棲生活のスタート、疲れないわけがない。
ただ、この疲れは嫌な疲れではなく、心地よい感じもする。
お風呂から出て、お肌のケヤやムダ毛処理をしているうちに、ウトウトしてしまう。
「あ、お酒」
今日も飲みそこなってしまった。
でも、部屋を出て冷蔵庫から取り出し、飲んでまた歯磨きは億劫でしかない。
私はそのまま、購入したての布団に入り込み、仕事の時間にあわせてアラームをセットする。
「そっか、もう少しだけ遅くねてられるのね」
会社に近くなり、今までよりもほんの少しだけ布団の中で過ごす時間が増えたことに小さな幸せを覚えた。
いつの間にか、リビングから聞こえていたテレビの音も途絶え、静けさが増していく。
志賀くんも部屋に行ったのかしら? そんなことを考えているうちに、私はすぐに夢の中へと意識が溶け込んでいった。
こう、なんだろう? 仕事のモードに入った感じに似ているかもしれない。
それは彼も同じようで、腕まくりをしながら荷物を片付けてくれていた。
「ここでいいですか?」
「え? えぇ、ありがとう、置いててくれればあとは私がやるから」
不意に近づかれ、汗を流しているのか、少しそんな香りと柑橘類の匂いも混ざり、なんだか独特の感じする。
ただ、それは不快な感じでなく、ちょっとだけ胸がスクっと動くような香りだった。
細く白い腕、貧弱に見えるがれっきとした男性で、重い荷物も持ってくれるし、それに……。
夜の出来事を思い出してしまう。
あの細く柔らかな指で、だが、力強くもあった質感が体を駆け巡っていく。
(ちょっと、集中! 少し近づかれたぐらいで、何を考えているのよ私は)
自分が以前の彼氏と、行っても既に何年も前だが、付き合いたてのころを思い出してしまう。
初心すぎる自分がいたが、今もそれと同じ感じで彼を意識してしまっていた。
「これはまずいわね」
「ん? 何かいいました?」
私は慌てて「なんでもないよ」と伝えると、作業に集中するフリをした。
しかし、まったく手が動かない、ちくっと腰の違和感が増したような気がして、それと同時に体の芯も熱くなっていく。
「いや、これは……」
私はトイレに行くふりをして、軽く顔を冷やそうとする。
濡らしたタオルで、化粧が落ちない程度にポンポンと軽く頬にあてて熱を取り除いていくが、体の奥からこみ上げてくる感じに、まったく追いつかない。
その後も、変に意識をしてしまい、作業の殆どを彼に任せてしまった。
それにしても、仕事ができるのか要領がよいのか、どちらもなのかわらないけれども、私がポンコツ状態なのにスムーズに部屋の整理が終わっていく。
「す、すごい」
「やればできるもんですね」
すっかり人が十分暮らせる空間ができあがり、私は満足しながら見渡すと志賀くんも微笑んでくれた。
「本当は、あのまま寝室を使っていただいても構わないのですが」
「それはダメ、いつまでもソファーじゃあれだし、それにあのベッドとかは自分で買ったのでしょ? いつまでも私が使っているわけにはいかないでしょ」
それはそうだけど、みたいな表情になるものの、それ以上は反論してこない。
こう素直に受け止められるところは、凄く素敵だと思う。
無理に反発もしてこないし、たぶん納得はしてくれていないけれど、どこかできっちりと折り合いをつけてくれていた。
その日は、お互い疲れていたので近くのコンビニで買ったお弁当で晩御飯を済ませると、明日に備えて早めに寝室に入ることにした。
「くわぁ~……つ、疲れた」
慣れない肉体労働に加えて、想像とはまったく違う同棲生活のスタート、疲れないわけがない。
ただ、この疲れは嫌な疲れではなく、心地よい感じもする。
お風呂から出て、お肌のケヤやムダ毛処理をしているうちに、ウトウトしてしまう。
「あ、お酒」
今日も飲みそこなってしまった。
でも、部屋を出て冷蔵庫から取り出し、飲んでまた歯磨きは億劫でしかない。
私はそのまま、購入したての布団に入り込み、仕事の時間にあわせてアラームをセットする。
「そっか、もう少しだけ遅くねてられるのね」
会社に近くなり、今までよりもほんの少しだけ布団の中で過ごす時間が増えたことに小さな幸せを覚えた。
いつの間にか、リビングから聞こえていたテレビの音も途絶え、静けさが増していく。
志賀くんも部屋に行ったのかしら? そんなことを考えているうちに、私はすぐに夢の中へと意識が溶け込んでいった。