Grand Duo * グラン・デュオ ―シューベルトは初恋花嫁を諦めない―
「俺の女神さまを笑わせてやるのさ……水にくすぐられて笑う河神のように」
「やだ、朝だよ、アキフミっ」
「身体は嫌がっていないくせに」
「ンッ――!」
ピアノに身体を押しつけられたまま、唇を塞がれ、夜着の上から愛撫を施され、くすぐったいと逃げ出そうとしたら寝台に連れ戻されて乱されて。
わたしはまた、朝から彼に慈雨のように降り注ぐ愛の言葉とともに、身体を奏でられてしまうのだった。