Grand Duo * グラン・デュオ ―シューベルトは初恋花嫁を諦めない―
遺言書のお墨付きをもらったアキフミは自信満々だ。なるべく早いうちに結婚したいとすでに婚約後のさまざまなことをあたまのなかでシュミレーションしている。社長の妻として迎えられるということは、結婚式の規模も並大抵のものではない気がする。
彼と一緒なら何があっても起こっても大丈夫だろうと思うが……それでも一抹の不安を感じてしまうのも事実で。
わたしは東京へ向かう新幹線のなかで、ひとり物思いに耽るのだった。