光と愛(仮)
変わり者だと言われ、優しいと言われ、人より少し多めの恋をした。友達も増えた。でも、いつも一緒にいるような人はいなかった。あることにこだわり、親と言い合いをするようになった。成績は下がる一方で、そのことでも母親を怒らせた。夜遅くに寝るようになって体調を崩すこともあった。それでも何も違和感はなく、毎日学校に通っていた。それで楽しかったしそれなりに充実していた。

ああ、全然言葉が出てこない。書こうとする雰囲気すら出てこない。何も思いつかない。この先の構成も結末も、なにもかも見えていない。完全に見切り発車で書いているから。作者がでしゃばるなと言われそうだがこうでもしないと埋まらない。別に締め切りに追われているわけでもないし誰かに頼まれたわけでもないのだけれど。自分で感覚的にルールを作ってそれに勝手に縛られているんだ。自分の作品だから好きにさせて。こんなものを誰が読むのかも想像がつかないんだから。

そんな中学時代を経て高校生。私は期待していないつもりだったが、心の奥底では期待していたようで、少しでも想像と違うと残念に思った。最初の頃は何も知らず何も考えず生きていたが、何故だか秋になると考えごとを始めていた。
どんな考えごとをするのか。それはその時の自分にしか分からない。答えが出るわけでもないし、同じことを考え続けるわけでもない。ただその時に思ったことを気の向くままに考える。朝でも夜でも。いつからそんな脳になったっけ。ふっと急にそうなったのか徐々になったのか。そんなことすらも覚えていない。

もう駄目だ。頭が真っ白になった。自分が何を書こうとしていたのか完全に忘れてしまった。頭から抜け落ちた。続きを思い出せず、入り込めない。もう終わろうか…。いや、逃げたと思われるかもしれない。だいたいこんなふうに作者が出てくること自体、逃げだと思われているかもしれない。もう思われているならどうせ同じこと。忘れたことは忘れた。思い出せないなら思い出せないでもう諦めよう。もともと知らないのかもしれない。
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