思い浮かぶのは、君の事。
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「藍原さんが良ければ、来てくれると嬉しいんだけど…」

好きな人と夕日を見ると、その恋は結ばれる…?



彼は頬をほんのりとピンク色に染めて晶を真っ直ぐ見つめている。
そんな表情を前にして、言葉が出てこなかった。

そして、なぜか分からないけど。今考えているのは。思っているのは。目の前にいる彼のことではなく…武のこと。


「ありがとう。あの…さ…」

晶は続けて言った。

「気持ちは嬉しいんだけど… 私一緒に見たい人いるから。ごめん」

「そっか、それなら仕方ないよね。
…じゃ、またね」

物悲しげに微笑みながら彼はそう言うと、走って行った。


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