私の知らない恋の話。
不可抗力は甘んじて受け入れるしかないと思ってる。
チュンチュン、とおそらくスズメの鳴き声。
微かに耳に入ってくる鳴き声を拾って、意識を取り戻した。


うっすら目を開いて、カーテンの隙間から光が差し込むのを確認して、もう一度目を閉じた。


手探りでスマホをとにとって右目だけで時間を確認、6時半。
流石に寝過ぎた感じがするから、ゆっくり身体を起こす。


「……んん、」


グッと伸びをして、部屋を見渡す。
肩から落ちた首周りの広いシャツ。
肩を無理やり戻して、ぽーっとする。


準備……しなきゃ。


床に落ちた教科書を拾い集めてカバンにしまうと部屋を出て、リビングに出る。


いい匂いが漂うリビング。
そこに立つのは同じく寝起きであろう男。
少し前髪の長いミディアムヘアが寝癖で酷いことになっている。


「……はよ」
「……おはよ」


お互い、寝起きの声で挨拶を交わすと、私は洗面所に抜けた。


……どうして、こんなことになっているのだろうか。
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