私の知らない恋の話。
◇ ◇ ◇


「……前川、好きなの?」
「なんで?」
「今日ずっと喋ってた。
朝も、英語の時間の前も。
放課後も帰る前話してたし」
「……なんで私のことそんな見てんの?」


寝る前、ベッドに転がってスマホを触っていた私の部屋に何故かもえが進撃してきて、気を抜いていた私は平静を装いながらも、起き上がって、これまた肩の落ちたシャツを直すとスマホを下ろしたら、このような流れである。


「……なぎが、心配だから」
「そんな心配しなくても。私もう子どもじゃないし」
「そ、うじゃなくて……」


また泣きそうなもえ。
昨日に引き続き、よく泣くな、本当に。


「泣かないでよ、どしたの?」
「……なぎが、離れて行ってほしく、ない」
「本当に何言ってんの?」


おい、結構背の高い男が泣きながらそんなヘタレ発言してたらモテないぞ。顔は良いのに。


「なんで気づいてくれないの〜〜〜?」


……大号泣。
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