恋愛偏差値$完
「男ばっかと行っても楽しくないしさ~。柚菜ちゃんとだったら。暗いしさなにしてもばれないんじゃね?」
暗いとなにしてもばれない、がどういう意味だかわかんないけど。
「ちょ…あたしは嫌!尋くんじゃ頼りにならないし。はーなーして…」
「はなれろ!」
伸先輩が尋くんの頭をゲンコツでたたいた。
「いった!」
尋くんが頭を抱え込んであたしから離れた。
「あ…」
「俺たち、この間も言ったよね。こんなことはもう二度としないんじゃなかったっけ?」
尋くんの頭をたたいたのは伸先輩。
警告っぽいことを言っているのは梓先輩。
「冗談ですって。なんにもしてませんし、しませんよ。安心なすってください」
「もうさわんなよ」
そう言って、伸先輩は尋くんを解放した。
「柚菜ちゃんだいじょうぶだった?」
「ありがとうございます。でも別に何もされてませんよ?」
「ならよかった」
って笑顔。
その笑顔に毎度毎度きゅんとするんだ。