恋愛偏差値$完
「意外にこわいですね…」
あたしにとっては意外になんてないんだけど、伸先輩の前だから強がることにする。
「……」
やっぱり不機嫌だよー!
やりにくいな…
「きゃーー!」
こんにゃくがぶつかってあたしは近所迷惑な悲鳴をあげる。
となりで伸先輩がうるさそうにしている。
不機嫌な伸先輩を見て、静かにしなきゃって思う。
「きゃぁぁぁー!」
こんにゃくがまたあたしにぶつかる。
「…うっせ」
小さい声で伸先輩が『うるさい』って。
伸先輩もちょっと怖いです…。
「ご、ごめんなさい……伸先輩?」
伸先輩があたしの手を握った。
「こっちのほうが怖くねぇだろ。川んときみたいに転んだりもしねぇし」
これは伸先輩なりの優しさ?
意外に優しいんですよね。
「…ありがとうございます」