恋愛偏差値$完


「フンッ。俺の優しさにやっと気づいたか」



今日の先輩はいつもより素直で、前までの梓先輩みたいなキラキラが出ているようにかんじた。


暗いからキラキラがめだって見えるのよ。



「優しいって…」


伸先輩には似合わないという顔をする。




「お前の顔ブサイクだぞ」


「むっかー!」


女の子にブサイクなんてひどすぎでしょ!



暗い夜も今は怖くないや。


伸先輩と手を繋いで、いっしょに紙きれを捜す。



今日は肝試しで終わり。


合宿は明日の朝で終わる。



「この言葉は?」


「ええっと…」


あたしはおそるおそるお地蔵様の手に置かれてある紙を開いた。



「"か"です」

「か?」


「"らぶたか"…ってなんですかね?」


"たか"とは顧問の名前。
Loveたか……


へぇ…




もう肝試しも終わり。合宿も終わる。


伸先輩が手を強く握った。

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