恋愛偏差値$完
尋くんはやんわりやさしくなった。
伸先輩と梓先輩がくぎをさしてくれたおかげかな。
「あっそ?おいしいのにね」
「お気遣いどうも」
部員で円をかこんだ遠くのほうで梓先輩と伸先輩がいる。
伸先輩はお酒を飲んでいるみたい。
フリョウだね。
梓先輩はまじめにジュース。
部員のひとたちと楽しそうに話している。
合宿が終わって、学校ではいつもどおりだし、学校に行くにも帰るにも二人といっしょ。
気持ちが動いているのは気のせいじゃないよね。
「マネージャーぁぁ」
部員があたしと尋くんの間に座ろうとしている。
酔ってる…。
「いっしょに飲もをっ?」
「ひゃっ」
部員が持っている大きなお酒の入ったタル。
なにかにつまづいて、あたしにその中身がかかった。
あたしは全身お酒まみれ。
口の中にも入ったかも……