恋愛偏差値$完


いくら会いたくないと思っていても、部活で会ってしまうわけで。




「おぅ。柚菜じゃん」


「あ…伸先輩」


「久しぶり。昨日は帰れたか?」


「はい、おかげさまで…」


いつもどおりの伸先輩に悪いよ。


罪悪感……。



「……」


伸先輩に手を引かれて、あたしは後ろ向きに伸先輩の胸の中に納まった。



「お前、熱とかあるんじゃねーの?顔色悪いし…」


「なっなんでもありません!」


あたしの額に置かれた伸先輩の手をおもいっきり振り払ってしまった。


「……は?」


「えっ…えと!失礼します!!!」



あのあと、何回も体を洗ったのに梓先輩が残っている気がして。


伸先輩に気づかれたくなくて。




ごめんなさい。これから伸先輩を避けることにします…



今は部活中だし、伸先輩も大胆なことはしないだろう。





「すいません!遅れました」


委員会で遅れた梓先輩が顧問に頭をさげている。



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