恋愛偏差値$完
「お前、柚菜の暴走を止められたはずだろ。酔ってたわけでもあるまいし」
「………」
伸先輩は今にも梓先輩をなぐりそうな勢い。
「柚菜の気持ちも考えないで、やったのかよ!」
「伸先輩っ、もういいです!もう、だいじょうぶですからっ…!」
なぐったりしたら、暴力事件として停部になっちゃう…
あたしのせいでそんなことになりたくないよっ。
「……ぷっ」
あたしが伸先輩を押さえているうちに聞こえてきた梓先輩の声。
笑ってる…?
「梓てめぇ…」
梓先輩が空気読まないで笑ったから伸先輩さらに怒ってるじゃなーい!!
「ご、ごめん。伸があまりにもおもしろくて」
伸先輩の震える体を必死に押さえつける。
あたしだけの力じゃなくて、伸先輩もこらえてるんだろうけど。
「俺と柚菜ちゃん、なにもなかったよ」
…………は?