恋愛偏差値$完
「なにもなかったって…起きたら、あたし、あの姿で……」
伸先輩は放心状態でそれを聞いている。
「だって、柚菜ちゃん酔ったとき自分で脱いでたじゃん」
たしかに、そうらしいけど…
「で、僕の服も脱がされちゃって。そりゃぁ、上だけ。それから……柚菜ちゃん寝ちゃったんだよ」
なにもしないで寝たーー?!
下着姿で、同じベッドで、となりに、寝た……
「じゃぁ、あのことは誤解…」
あたしはずるずると座りこんでしまった。
今まで、伸先輩のこと避けて、思いこんでばかみたい。
よけい、伸先輩のこと傷つけてたんだ……
「じゃぁ、あの夜はほんとうになにもなかったのか?」
伸先輩が復活した。
「うん。なにもなかった」
なんだ。よかった。ヘンな罪悪感とかもう感じることないんだ。
ただのざこ寝って思えば……
「って、言ったらうそになる」
は?!