恋愛偏差値$完
なんですかこの展開。
じつはなにかあった??
「なにがあった?包み隠さず言え!!」
伸先輩が梓先輩の胸ぐらをつかんだ。
あたしは座りこんでたから、止めれなかった。
「うん。柚菜ちゃんに服を脱がされたときね、やっちゃおうと思った。でも柚菜ちゃんの悲しい顔を見るのがつらかったから」
梓先輩はいつもの優しい顔で微笑んで、
「いっしょに寝たのは、せめて。柚菜ちゃんが誰にキモチ向いているか知ってたから。さいごに、好きな柚菜ちゃんを一晩中眺めていたかったんだ」
好きって……梓先輩があたしを…?
「下着姿で同じベッド。悪いことだってわかってたけど、ごめん。それだけは、許してくれって」
梓先輩はあたしと同じ高さになって、あたしの涙をぬぐった。
伸先輩は気をきかせてくれたのか、部室から姿を消していた。
「ごめんね」
梓先輩の優しい笑顔が切ない。
あたしが梓先輩を好きになった理由は笑顔だよ…?
「っ…そんな、顔しないでください…。あったし、梓先輩のこと好きでしたっ。優しく、ふんわり笑う、笑顔が好きでした。中二の……っ。梓先輩があたしを助けてくれた、そのときからっ……」
あたしがなにを言ったか、伝わってるかわからないけど。
梓先輩はあの笑顔をまたくれた。
「ごめんね。ありがとう」
梓先輩……
好きでした。