恋愛偏差値$完
梓先輩とは今までどおり、フツウに話している。
朝迎えに来るのは伸先輩だけ、帰るのも伸先輩とだけになった。
べつに、梓先輩もいっしょでいいのになぁーって思う。
あたしってひどい?
「柚菜ちゃん、伸に送ってもらってるのにね。伸はダメだなぁ…」
「あ?!誰がダメだって?」
伸先輩は梓先輩の頭を軽くたたいて、あたしのとなりに座った。
伸先輩と梓先輩もだいじょうぶみたい。
「柚菜…ごめんな?気づいてやれなくて…」
「ぜんぜんっ。いっしょにいるってことじたいが安心ですもん」
「そ?ならいーんだけど」
そう言ってもとの場所に戻って行った。
それだけのために来たのかな?
伸先輩ってさりげなく優しいよね。
ここがモテる秘訣なのかな。
「よーしっ。マネージャーを守るぞっ!」
誰かが立ち上がったら、みんなが立ち上がった。
伸先輩はあきれた顔で見ている。
でも、すっごく安心する。
サッカー部って本当仲いいな。